「MDA モデル駆動アーキテクチャ(ISBN:4434038133)」

第10章「先進的トピックの補足」を読んで.
9章に引き続き「高度なトピック」です(涙).といっても,残り物の話題を寄せ集めた感じで,なんとなく流して読んでしまいました*1
MDAといえばPIMからPSM(実行可能コードを含む)を生成するのだということをいろいろなところで見かけますが,その先にはPIMを直接実行するという目標もあるようです.その場合には,PIMを実行する環境ごとに,仮想マシンを用意するとのこと.例によって,パフォーマンスという壁が立ちふさがっていると考えられるわけですが,Javaの成功を考えても,目指す方向としては魅力的であろうと思います.
それで最初に戻るわけですが,PIMを直接実行できる仮想マシンができあがれば,そこでまた抽象度が上がり,できたてホヤホヤの仮想マシンやPIMもまた,一つのプラットフォームと見なされるようになるのでしょうね.

長い間に,IT産業は開発言語と実行プラットフォームの両方の抽象レベルを着実に向上させてきた.この傾向が続くことを信じる全ての理由がある.

ちょっと訳が変?ということはさておき,技術の進歩は果てしなく続くということですね*2


総評*3
本書は,MDAの基盤となる技術(メタモデルやメタメタモデル,それらの間のマッピングなど)と,現状の課題について解説しています.
しかし,MDAの表層については詳しい解説があるわけではないため,MDAを使った開発がどのようなものなのかを知りたいという人には今ひとつではないかと思いました(本書が悪いということではなく,それは本書の守備範囲ではないということです).アクションセマンティクスやExecutable UMLについてもほとんど説明されていないので,それらを期待する人には物足りないでしょう.
MDAを実現する技術開発に関わりたい人にはよい入門書といえるのかもしれません.

*1:ごめんなさい,早く終わらせたいのです...

*2:それをどう活用するかはまた別の問題となるわけですが.

*3:うわー,なんか偉そう!!