「Java Transaction Processing design and implementation (isbn:013035290x)」

少し前に注文していた書籍が届きました.いかにもなタイトルですよね.(^^;
ひょんな事から今週はトランザクション関連の書き込みが続いたので,ちょうどいいタイミングかもぉ〜.
洋書なので,全部きっちり読むなんて出来そうもないし,斜め読みするだけでも出来るかどうか分からないのですが (じゃあ買うなよなんていわないで!),とりあえず内容を簡単に紹介.


Part 1 Java Transactions Fundamentals
まずは第1部.Java におけるトランザクション処理の基本について.


capter 1 Transaction Fundamentals
この章は特に Java に特化した話ではなく,トランザクションの基本についての解説.
ACID 特性から 2 フェーズ・コミットとその問題,障害時における回復など,基本として押さえておきたいことが一通り,約 60 ページを費やして解説されています.


capter 2 Foundation of Transactions in J2EE: The Java Transaction API
ここから Java 固有の解説.まずは JTA
UserTransaction から TransactionManagerTransaction,それに XIDXAResource など, JTA で規定されている各 interface と,それらがどのように協調して動作するのかが (シーケンス図付き!) 詳しく解説されています.


capter 3 The Java Transaction Service
こっちは JTS および CORBA OTS
JTS (OTS) って,interface は多いし,利用方法もいくつかあったりしてなかなか複雑なのですが,それらが丁寧に解説されている様子.


Part 2 Transactions in J2EE
ここから第二部.J2EE に含まれている各種 APIJTA/JTS との関連について.


capter 4 JDBC and Transactions
トランザクション処理の主役,RDBMS を扱う JDBCトランザクションについての解説.
トランザクション分離レベルのような JDBC 固有の話から始まって,XADataSource を使って JTS とどのように連携するかまで,これまたシーケンス図付きで解説.
2 章とこの 4 章を読めば,S2Tx と S2DBCP まわりも完璧に理解できることでしょう.


capter 5 JMS and Transactions
続いてはもう一つの主役,MOM (Messaging Oriented Middleware) についての解説.
2 フェーズ・コミットが必要になるケースの多くは,RDBMS と MOM の組み合わせなので,これもまた重要ですね.
やはり JMS の基本から始まって,XAConnectionFactory を使って JTA と連携するところまで解説されています.


capter 6 Enterprise JavaBeans and Transactions
J2EE 的には JDBC や JMS を直接使うのではなく,より高水準の API である EJB を使うことになっています.
その EJB を使った高水準 (宣言的) なトランザクションについて解説されています.


capter 7 J2EE Connector Architecture and Transactions
JCA (最近は J2C っていうの?) もまた,トランザクション処理に深く関わる仕様のひとつ.あまり身近じゃない存在なので,この章は個人的に要チェック.


Part 3 The Future of Transactions in J2EE and Web Services
ここからは第三部.未来に向けてのお話っぽい.


capter 8 Advanced Transaction Concepts
なんだかよく分からない.(^^;
インターネットにまたがった一連の取引 (それがトランザクション) なんかでは,従来の ACID なトランザクションを適用しにくいという課題が書いてあるのかなぁ?


capter 9 The J2EE Activity Service
で,8 章の課題に対する著者のソリューション... かなぁ?


capter 10 Transactions and Web Services
Web サービスにおけるトランザクションというのもニュースだけ見ていると錯綜気味かつ分裂気味に見えたりするわけですが,そのあたりが解説されているのでしょう.


Appendix A Resources
Appendix B Experiences Gained and Lessons Learned
Appendix C A Brief History of Transaction Systems
Appendix D Glossary of Terms


ということで,第三部からは書いてあることの概要すらつかめませんでした.いいんです,だからこそ読む価値があるんです! 間違いない.
トランザクション処理一般だけでなく,JTA/JTS が詳細に解説されている貴重な書籍なので,そのあたりに関心がある人にはいいのではないでしょうか (読んだ上での評価ではありませんが).


ついでに,一緒に届いた書籍をタイトルだけ紹介.

最後のは新しいものではないのですが (っていうか古い?),S2JMS Container for JBoss なんて作れたらいいなぁ,っていうのがあってですね,それは EJB コンテナや WEB コンテナと横並びに位置する非同期メッセージングサービスのコンテナ (ダイコン的な軽量コンテナではなく,MDBEJB コンテナの代替) で,そのための学習にいいかなぁと思い購入しました.でも,まずは S2Axis もあるし,しばらくは積読間違いなしです.残念!!!!